ミッドサマー(原題:Mid Sommer)の感想というか難癖

話題になってたので、事前知識一切なしで観てみました。

結果としてはあんまり好きじゃなかったので、この先を読む人は気を付けてね。

気になったところ1・わだち

まずですね、最初の方でわだちのある草原が出てくるのですが、このわだちが妙に違和感があるのです。
草部分と土部分がはっきりしすぎてるんですね。轍の真ん中に草あるし。
絵的にはきれいかもしれませんが非常に違和感があります。

あれだけはっきり分けるためには、車両がかなり通行してないとダメだと思うんです。せめて定期的には。
ホルガ村はそういう立地ではなさそうなのですが…。
で、草の生長を抑えるほどに車両が通行していたら、砂利をしいてないともっとエグれます。
離合できないし、馬車とか使ってなさそうだし、あのような轍はどうやったらできるんでしょうね。

いや!わかってるんです。わざわざ轍作るわけないだろ!ってことは。
どうしても気になってしまったのです。轍の専門家じゃないので適当なこと言ってます。

ちなみに白夜の起こるスウェーデンのヨックモックあたりだと、夏至のころの平均気温は20度に満たないそうです。
草の生長は抑えられそうですが、そうなると服装が薄着すぎるんですよね。

ストックホルムに飛行機が着陸して、北へ車で約4時間の距離だそうなので、たぶんこのあたりが舞台じゃないかと踏んでおります。
(このあたりで白夜が起きるかは??)

しかし、めちゃくちゃいいところですね!

気になったところ2・植物がメチャクチャ

さて、上の写真にもありますが、気になったところ2は植物です。
牧歌的で幻想的な雰囲気を出すためかあちこちで植物が使われていますが、正直めちゃくちゃです。

ホルガに入るところでヒマワリのようなものが咲いてますが、咲いているのはここだけです
そのあとは全く出てきません。しかも森の中に、背の高い木の足元に咲いてます。不自然。
村の入り口に咲いているのに踏み荒らされてもいません。

なんというか、「踏まないように歩いたから」じゃなくて、「通路には花は咲かない(咲けない)」と思うんですよね。
見たことあります? 道の真ん中に花が咲いてるの。

で、村の中にピンク色の花が咲いてる木がありますが、あれはなんなのでしょうね…。
花弁は舞ってないし、下に落ちてもないし…すっごい気になります。
スウェーデンにも桜はあるそうですが、夏至に咲いてるのは無理があります。

女王のお花スーツも花の種類が多すぎて変です。
どこかに咲いててもおかしくはありませんが、舞台となっている村に全然咲いてないんですもの。
(それらしい花壇もないんですよ。いきなり地面から生えてるんです)
お花の種類が限られていたとしても、それが自然なのですからそれで美しいと思うんですけどね。やりすぎ感。

…という感じにいったん違和感を感じてしまうと、牛がいるのにフンが落ちてないのも気になってしまう…。

というわけで、何がいいたいのかまとめてみると、これ全然牧歌的でも幻想的でもないな、ってことです。
それっぽい小道具だけちりばめた…とってつけたような、意地悪な言い方しちゃうと学園祭みたいな雰囲気に感じてしまうのです。
もしかしたらワザとかもしれませんが。

ぼくは田舎者で育ったので、演出としての田舎をみるとすっごい気になっちゃうんですね。

気になったところ3・露骨な演出

あと、エグいことがやたらハッキリ描いてあるタペストリーとかあったじゃないですか。
あんなのを「牧歌的な」雰囲気の中、堂々と飾ってるわけですよ。
すごくバカにされてる気がしてしまいました。

関連して、一人だけジュースの色が違うのもありましたね。いくらなんでも気づくやろ!って。
あんなに色が付くまで入れたらニオイすごそうです。

ほかの人の飲み物の色がわからないようになってるか、若干色が変わる程度にしておいて、見返したときに「ウワ!!ホンマや!!」だったらよかったのに!

毛もそのまんま入れないでしょ、小さく切ってわからないようにするとか。
(書いてて気持ち悪くなってきた…)

畑から足が出てるのは仕事が雑すぎて笑ってしまいましたね。どうやって埋めたらそうなるねん!!

あとはなんか、都合の悪そうなところはドラッグで無理矢理Goさせてるのも気になりました。
あくまで超自然的な力なしに視覚をグニャリとさせてみたり、ラリパッパにしとけば登場人物は都合よく動く、っていうのは脚本的にはどうなのですかね。
それができないから脚本家のみなさまは頭をひねるのではないでしょうか…。

最後の笑みの考察

考察というか、感想ですか。
監督が「トチ狂ったので笑っています。美しい」とコメントしたそうなので、それ以上ではないのでしょう。

徹底して共感者がいない可哀そうなヒロインとして描かれるダニーが、強烈に共感してくるホルガの住人達に安堵したから、というのが一つあると思いますが、あそこの場面ではホルガの人としては泣かなければなりません。
(中で燃えてる人に共感してるのだから)

結局ダニーは共感してくれる人がいない、と嘆いてばかりで、自分も共感することができなかったんじゃないかと思いました。
たぶん、ホルガの女王としてもやっていけないでしょう。

ホルガの人たちも表面的に寄り添ってるだけで本質的には寄り添えてないと思うので、そういう意味ではお似合いかもしれませんね。
(泣き叫んだりしてみるものの、自分たちに都合のいいように殺戮を行い、生命に寄り添えていません)

まぁ単に「トチ狂ったので笑った」のかもしれませんがw

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です