トレマーズ(原題:Tremors)

今回は『あらゆる映画の中で最も好きな』一本である、トレマーズについて語りたいと思います。

ネバダの砂漠地帯で異常な振動が観測され、地震学者や付近の住民たちが現地に赴くが、その振動の正体は、なんと地底に生息する謎のモンスターの仕業であった。やがてモンスターは次々と人々を襲い始め、人々は街へ避難していくが…。

ジャケットを見ればわかるように、トレマーズは典型的な低予算B級モンスター映画です。
トレマーズファンの中にも、バカにした感じのフォロワーもいますが!!

とんでもない。

制約が創作物を面白くさせるのだ、ということがよくわかる一本となっております。

演出の巧みさ

本作のクリーチャーであるグラボイズは地中に潜み、音を頼りに獲物を襲うという設定です。
地中にいるのですからしょっちゅう現れる必要はなく、登場人物たちは音を立てないようにゆっくり動く必然性が生まれます。
真っ昼間の荒野を舞台に、大人たちがビクビク歩いてるだけでホラーが成立するのです。
演出面で考えると非常にローコストであることがわかります。

夜空を照らすカーライト

クリーチャーが車を地中に引きずり込むというシーンがあります。
まともに撮っていたら莫大な金がかかるうえ、ショボい出来になりかねません。

トレマーズはこれも上手に解決しました。
車を揺するシーンだけを撮り、引きずり込まれるシーンは「ライトが夜空を照らす」だけにとどめました。

車が派手にガッチャンガッチャン、恐怖はまさにクライマックス!
といったところで場面が切り替わり、ライトが夜空を照らすのです。
荒野の夜ですから、みごとな星空です。
視聴者は無残にも車が引きずり込まれるようすを想像してしまうでしょう。

そしてその後、発見者が近づくと、ラジオの音がしていることに気づきます。
ラジオの音はどこから…? そう、地中から。
焦った発見者が土を払いのけると、ライトだけが顔を出すわけです。

オシャレすぎませんか?

ぼくはこんなオシャレな恐怖表現はみたことがありません。
しかし実際には、車のライトを地中に埋めただけです。上手い。

隠すばかりではない

これも大好きなポイントです。
トレマーズはクリーチャーを上手に隠すことに成功しましたが、それだけじゃありません。
出すべきときには出します。
クリーチャーが壁を突き破って出現し、銃で応戦するシーンなどはとんでもない迫力です。
ゆっくり動くことを強いられていた登場人物(と視聴者)の鬱憤が炸裂する名シーンです。

そしてこのシーン、なんと「明るい」のです!!!
基本的にこの映画は昼間が舞台なのです。

普通、ホラー映画では避けます。
人間は暗闇を恐れるものですし、演出的にも楽です。
見えないところでワーキャー言っていれば一応ホラーが成立し、クリーチャーのアラも目立ちません。

これで大失敗したのが、エイリアンVSプレデター2でした。
真っ暗で何が起きてるのかよくわからないため、シーンが記憶に残りません。

これはクリーチャーの造形への自信の現れと捉えてもいいかもしれません。
本当にいそうな質感、CGではまだうまく出しきれない『重さ』、匂いが漂ってきそうな体液…。
明るいところで動かしても破綻のない、素晴らしい造形です。

ケチるところはケチり、魅せるところは魅せる、それがトレマーズの魅力です。

暴走”スタンピート”

ラストシーンでは、主人公二人が崖に向かって疾走するシーンがあります。
荒野を舞台に、クリーチャーを生き残りから遠ざけるために疾走…めちゃくちゃカッコいいです。
ギリギリまで引き付けたところでダイナマイトを爆破、驚いたクリーチャーは谷底へ消えていきます。

冒頭でバル(ケビン・ベーコン)が相棒アール(フレッド・ウォード)を起こすときにいった「暴走だ!!」という一言が伏線になっているわけです。

このシーンをバカにしている人もいましたが全く同感できませんね!!٩(๑`^´๑)۶

よもやまばなし

ケビン・ベーコン

いまもコンスタントに映画出演されています。
ベーコン数を持つものは順調に増えていっているようです!!

ちょい役ですが「13日の金曜日」にも出演しています。
なんだか彼を見かけると知り合いのような気がしてしまいます。

フレッド・ウォード

2で主演を張って依頼長らく姿を見かけませんでしたが、ジェニファー・ロペスの「イナフ(2002)」で出演してるのを見かけました。
シニカルな笑いが似合うイケオジ、相変わらずカッコいいです。

映画自体はトンデモ映画で面白いです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です